あたしは、そんなに物欲が無い。


必要最低限の物や欲しいと思った物は、もちろん買うけど…


基本的に、給料のほとんどを貯金してしまう。


住んでいる家も普通のアパートだし、ナンバークラスのキャバ嬢にしてはたぶん珍しい。


綾に何度か引っ越す事も勧められたけど、あたしは今の生活に満足していた。


まだまだ真面目と言うか、元々が貧乏性なんだと思う。


だから、お客からプレゼントを貰っても困る事が多かった。


貰う物の大半がドレスやアクセサリーだから、店でも使える物だけど…


たまに、家具をプレゼントされたりもする。


そんな時はいつも、どこに置けばいいのかわからなくて困っていた。


それはともかく、今回もすぐに欲しい物を答える事が出来なくて…


いつの間にか真剣に考え込んでしまっていると、廉が不思議そうにしながら口を開いた。