「お前、隙あり過ぎ……」


苦笑した廉を前に、虚しくなって俯いた。


せっかく綾が励ましてくれたのに、さっきよりも落ち込んでしまう。


「そんなんで、今までよくキャバやって来れたな」


廉のせいだよ……


あたしは、こんなんじゃなかったのに……


「放っといてよ……」


精一杯強がってみたけど…


「俺、客だけど?」


その言葉で何も言えなくなったあたしは、上から目線の廉に苛立ちを感じながらも頭を下げた。


「ごめんなさい……」


「別に怒ってねぇよ」


廉は言いながら、あたしの頭を優しく撫でた。


優しくしないで……


気持ちが揺れるじゃない……


そう思いながらも、心の中では喜んでる自分(アタシ)もいる。


複雑な気持ちと抑え切れない喜びに挟まれながら、それでも何とか仕事を終えた。