今日は、意外と常連客が多かった。


あたしは休む間も無く、ずっとあちこちのテーブルに移動していた。


指名してくれるのは嬉しいけど、ここまで忙しいと体が持たない。


ナンバークラスはどの子も忙しそうで、ヘルプの子達も困っていた。


いつもならお互いにフォローを入れたりもするけど、今日はそんな暇すらも無い。


開店から２時間が経つ頃には、すっかりクタクタになってしまっていた。


そのうちお客が少しずつ減ってやっと一息つけた時、昨日の宣言通り廉が店に来た。


程なくして黒服に呼ばれ、彼のテーブルに向かう。


「いらっしゃい」


笑顔で挨拶をしてから廉の隣に座って、お酒を作りながら口を開いた。


「昨日は色々とありがとう。それと、ご馳走様でした」


あたしが普通に接したせいか、彼は少しの間黙っていた。