「あたしからは、何とも言えないけど……。澪がそう感じてるなら、しばらくは様子を見るしかないんじゃない?」


綾はコーヒーを一口飲んで、そのまま続けた。


「澪はさ、男に利用されちゃうとこがあるから……。それは自分でもわかってるよね?」


ハッキリと言った彼女を見ながら、小さく頷いた。


「今までは同業者ばっかりで、時には相手に貢ぐ事もあったじゃん?だから、今回は慎重に考えてみようよ」


「でも……」


言葉に詰まったあたしに、綾は優しい笑みを見せた。


「それでも好きだと思うなら、それはもう認めるしかないよ。その後どうするかは澪次第だけど、好きって気持ちはどうしたって止められないでしょ?」


彼女の言葉に、あたしはまた頷いた。


「だったら、今は冷静になる時だよ」


綾はそう言ってから、優しく微笑んだ。