翌日、あたしは出勤前に永田綾(ナガタアヤ)の家に行った。


彼女は『Princess』のNo,1で、年齢はあたしよりも二つ上。


綾は本名のまま、“アヤ”として店に出ている。


あたしが入店した時から何かと面倒を見てくれて、色々と相談にも乗ってくれる。


姐御肌の綾は店でも皆から慕われていて、あたしも彼女の事を姉のように慕っていた。


だけど…


あたしには、他の子と違う事がある。


それは、綾もあたしにだけは色々と相談してくれる事。


あたし達は、姉妹みたいな親友なんだ。


「……で、どうだったの?」


部屋に入るとすぐに、綾から質問が飛んで来た。


あたしは出して貰った紅茶を飲みながら、昨日の事を話し始めた。


さすがにファミレスでの出来事は言えなかったけど、それ以外は包み隠さずに全部話した。