「やっぱり廉じゃん♪」


笑顔で歩み寄って来た女の人は、廉の腕を掴んだ。


隣にあたしがいるのに、まるでその存在を無視するかのように…。


馴れ馴れしい彼女の態度に、嫌悪感を覚える。


誰……?


あたしが廉を見ると、彼女を見ていた彼が不機嫌な表情で口を開いた。


「ユイ……」


ユイ……?


「久しぶりだよね♪元気にしてた?ちゃんとご飯食べてる?」


ユイさんはあたしを無視して、廉に笑顔で話し掛けた。


廉の“元カノ”……?


「今更、何だよ?」


「何よ?彼女の前だから怒ってんの?」


あたしを廉の“彼女”だと認識してるのに、その態度……?


あたしはとうとう耐え切れなくなって、その場から逃げるように走り出した。