「そんな事、どうでもイイよ。どうせお前は俺の物になるんだから」


不意に、今まで黙っていた廉がそう言った。


その言葉と突然の出来事に、すごく戸惑った。


「俺は、欲しい物は必ず手に入れる」


廉はキッパリと言うと、車を停めて外に出た。


それから助手席のドアを開けて、あたしの手を引いた。


「着いたぞ。降りろ」


「う、うん……」


戸惑ったまま、廉に手を引かれながら車から降りた。


目の前には、海が広がっている。


太陽が海面を照らして、キラキラと光が反射していた。


「わぁ……」


あたしは、綺麗な海を前に感動していた。


「行くぞ」


いつの間にか荷物を持っていた廉と一緒に、海岸に降りた。


「綺麗……」


海岸に降りた直後、自然と呟いていた。