何度行き先を尋ねても、廉は何も教えてはくれなくて…


不思議に思いながらも、仕方なく話題を変える事にした。


「ドレスの前撮り写真、廉に撮って欲しいんだけど……」


あたしが控えめに言うと、廉は呆れたような表情でため息をついた。


「今更、何言ってるんだよ!当たり前だろ?」


「え……?」


「っつーか、お前は誰に撮らせるつもりだったんだよ?」


最初からそのつもりだったらしい廉が、不機嫌な表情を見せた。


「廉が何も言わないから、ダメなのかと思って……」


ホッとしながら言うと、彼はあたしの顔をチラッと見た後、意地悪な笑みを浮かべた。


「バーカ!」


「もう……」


拗ねたように言ったけど、本当はすごく嬉しかった。