気持ちが晴れたあたしは、綾にお礼を言ってから電話を切った。


「マリッジブルー、か……」


静かなリビングで呟いて、息を小さく吐いた。


幸せな悩みだったのかな……


そんな事を考えながらベッドルームに入って、ベッドで眠る廉の隣にそっと潜り込んだ。


「澪……」


すると、小さく呟いた彼が、あたしの体を優しく抱き寄せた。


「起こしちゃった……?」


小声で尋ねてみたけど、答えは返って来ない。


寝言かな……?


夢の中でも、あたしの事を考えてくれてるの?


あたしはクスッと笑った後、廉の頬にキスをした。


そして…


廉の腕と香りに抱かれながら、ゆっくりと眠りに就いた。