「幸せだなぁ、って……」


「えっ!?」


あたしの言葉が意外だったらしい綾が、驚き混じりの声を上げた。


「でも、元気ないよね……?明らかに幸せそうな言い方じゃないんだけど……」


「うん……」


控えめに訊いた綾に、小さく返事をした。


「今、幸せなんでしょ……?」


彼女は様子を窺うように、また控えめに訊いた。


「うん……。すっごく幸せ……なんだと思う」


迷いながらも答えたあたしは、確かに幸せを感じているのに…


呟いた言葉が静かな部屋に消えて、それがあたしを不安にさせる。


「じゃあ、どうして?」


「不安……なのかな……?」


ため息混じりにポツリと呟いて、また小さなため息をついた。