食事を終え、また車に乗った。


「ご馳走様♪」


すっかり緊張が解けていたあたしは、笑顔でお礼を言った。


「あぁ」


廉は言いながら、エンジンを掛けて車を出した。


「お前、やっぱり二十歳には見えないよな」


「それ、褒め言葉?」


「まぁな」


「ありがと♪」


廉からの不意の言葉に、何だかすごく嬉しくなった。


年齢よりも若く見られる事も、その事で褒められる事もよくあったけど…


廉に褒められた事が、今までで一番嬉しかった。


「キャバ嬢にしとくのは、勿体ねぇよ」


密かにそんな事を考えていると、彼がそう付け足した。


「前から思ってたんだけど、もしかしてあたしを口説いてる?」


あたしはテンションが上がっていた事もあって、普段なら廉には訊けないような事を尋ねた。