「不安なんだもん……」


小さく呟くと、廉がまたため息をついた。


「何がだよ?」


「だから……廉が、あたしに何か隠してる事が……」


やっとの思いでストレートに告げると、廉は不機嫌な表情を見せて背中を向けた。


「俺、もう寝るから……」


「廉、答えてよ……」


「おやすみ」


廉は質問には答えず、静かに呟いた。


仕方なく電気を消して、あたしも彼の隣で横になった。


ベッドがいつもよりも広く感じるのは、廉があたしを抱き締めてくれないから…。


背中合わせがこんなに寂しいなんて、知らなかった。


胸の奥の痛みを忘れようと、瞼を閉じたけど…


あたしの感じた違和感は、完全に不安に変わってしまっていた――。