廉の機嫌がいい事を確信したあたしは、思い切って口を開いた。


「ねぇ……」


「ん?」


ベッドで横になった廉が、あたしを見つめる。


「最近……何か隠してない?」


あたしは、緊張を感じながらゆっくりと切り出した。


「何が?」


廉は顔色も変えずに、どこか冷たく訊き返して来た。


「だって……最近の廉、ずっと変じゃない?」


「普通だよ。まだそんな事言ってんのか?」


廉は眉を寄せ、深いため息をついた。


「だって……」


急に帰宅が遅くなったり、休みの日に一人で出掛けたり…。


最初は違和感を感じただけだったけど、今は違う。


不安になって、嫌な想像ばかりしてしまうんだ…。