「俺も、お前には甘いな……」


「まぁイイじゃない♪」


呆れたような表情で呟いた廉に、笑顔を向けた。


スタッフ達は、あたし達を気遣いながら何度も電話をしている。


だけど…


相変わらず、モデルが捕まらないみたい。


あたしと廉は、何度もため息をついていた。


「遅いね……」


「あぁ……」


既に何本ものタバコを吸っていた廉は、不機嫌な表情と低い声で答えた。


「澪。悪いけど、コーヒー買って来て」


「うん、ちょっと待ってて!」


確か、エレベーターの近くに自動販売機があったハズ……


部屋を出たあたしは、エレベーターの方に向かった。