一気に疲れを感じて、家に着くとすぐにソファーに倒れ込んだ。


「風呂沸かしてやるから、まだ寝るなよ!」


そう言った廉が、バスルームに向かった。


先が思いやられる……


どうしたって、あの人達とわかり合えるとは思えないよ……


そんな事ばかりを考えてしまって、さっきからため息だけがやけに大きく響く。


「もう嫌……」


あたしが一点を見つめながら呟いた言葉は、部屋の中に静かに消えていった。


「何が嫌だって?」


リビングに戻って来た廉が、あたしの目の前に座った。


あたしは体を起こしてソファーから降り、彼の隣に座った。


「ごめんね……」


小さく謝ったあたしを呆れたように見つめる廉を前に、情けなさと不安が過ぎった。