廉の話を聞いて言葉を失った両親は、バツが悪そうに俯いた。


「……また、改めてお伺いします。失礼します」


彼は頭を下げると、あたしの背中を押して、帰ろう、と目配せをした。


「俺も出て行くから!」


嵐もソファーから立ち上がって、あたしと廉を玄関へと促した。


「ちょっ……!嵐!?」


出て行くって……


まさか……


「大丈夫!ちょっと散歩して来るだけだからさ」


嵐は明るく言ったけど、あたしは気になって仕方が無い。


「嵐……。本当にごめんね……」


「イイって!大体、澪が謝る事じゃないだろ?それより、これくらいの事で諦めたりするなよ!」


嵐はニッと笑って、あたし達を見送ってくれた。