「俺はあれを躾だとは思わないけど!っつーか、あんなの暴力だろっ!?」


嵐はソファーから立ち上がり、父に負けないような剣幕で言い放った。


その瞬間、父は唖然として黙り込み、その隣にいる母の顔は真っ青になった。


あたしも、二人と同じように驚きを隠せなかった。


正義感の強い嵐は、昔からよくあたしの事を守ってくれていたけど、強気な態度を取る事はあまり無かった。


むしろ、こんなにハッキリと両親に反論をしたのは、初めてなのかもしれない。


「澪!お前がそんなんだから嵐までこうなるんだぞっ!!」


父は怒りで震えながら、またあたしを怒鳴り付けた。


いつも、こうだった。


嵐が少しでもあたしを庇うと、あたしが悪い。


どうして……?