「もうイイ……」


「澪?」


小さく呟くと、廉は宥めるようにあたしを呼んだ。


「だって……こんなに頭ごなしに怒られるなら……昔と何も変わってないじゃない……」


「それはお前が言う事を聞かないから、親として当然の事をしていただけだっ!!」


ほら……


そうやって、自分の言ってる事を正当化するんでしょ……


両親が言っている事が納得出来るなら、あたしは反抗したりしない。


そもそも、人に反抗出来るような性格じゃないんだから…。


だけど…


両親はきっと、そんな事すらもわかっていない。


『お前が悪いから』とか、『これは躾だ』とか…。


二人は、昔からあたしの気持ちなんてわかろうともせずに、そんな風に言ってばかりだったから…。