スーツに着替えていた廉は、すごくカッコ良くて…


「似合うね♪」


思わずニコッと笑うと、彼があたしの頭をポンポンと撫でた。


「行くぞ」


「うん……」


廉にそう言われた途端、憂鬱な気持ちが戻って来てしまって、思わずため息が漏れた。


「澪、眉間にシワ……」


「えっ!?」


あたしが慌てて額を隠すと、廉がフッと笑った。


「心配するな!」


「うん……」


それでも不安を隠し切れないあたしの耳元に、廉が唇を寄せた。


「お前は、今夜俺にお仕置きされる事だけを心配してろ」


「もう……」


こんな時まで意地悪な廉に、唇を尖らせたけど…


彼の言葉で憂鬱な気持ちが和らいで、ほんの少しだけ安心出来た。