「澪!どこ行くんだよ!?」


「廉が車で待ってるの!イイから走って!」


「マジでっ!?」


あたしは久しぶりに嵐と会えた嬉しさで、廉を待たせている事をすっかり忘れていた。


絶対怒ってるよねっ……!?


あたしと嵐が車の前に着くと、廉は車に寄り掛かりながらタバコを吸っていた。


「廉!ご……ごめっ……!」


息を切らしながら謝ると、彼はタバコの火を消してあたしの隣にいる嵐を見た。


「あのっ……!澪の弟の嵐です!こんにちは!」


慌てて挨拶をした嵐は、ニコッと笑って頭を下げた。


「初めまして、嵐君。織田廉です」


意外な事に、廉は不機嫌な素振りは全く見せずに、嵐に笑顔でそう返した。