嵐と約束した時間よりも、少しだけ早めに駅に着いた。


人が改札を通る度にハッとしたり、じっと見つめてみたり…。


嵐の事がわからないかもしれないと言う不安と、彼に会える喜びで、ついソワソワしてしまう。


とうとう待ち切れなくなって、嵐にメールをしようと携帯を開いた時…


「澪……?」


不意に名前を呼ばれて、ゆっくりと顔を上げた。


あたしの目の前には、可愛らしい男の子が笑顔で立っている。


身長は、あたしよりも高い。


モカブラウンの髪と、左右の耳にある三つのピアスには、見覚えが無いけど…


あたしはすぐに、その男の子が嵐だとわかった。


「久しぶりだね♪」


あたしが微笑みを浮かべると、嵐もニッコリと笑った。