「遅い!」


お風呂から出て来た廉は、ビールを飲みながら不機嫌に眉を寄せた。


「あっ、ごめんっ……!今まで電話してて……。あの、今から行こうと思ってたんだよ?」


あたしが宥めるように言い訳をすると、彼が不満げに口を開いた。


「で、どうなった?」


「うん、あのね……」


まずは家出をする前の事や、嵐と連絡を取っていた時の事を詳しく話した。


そしてその上で、嵐があたし達に会いたがっている事を告げた。


「ふーん……」


曖昧に返事をした廉に、嵐と決めた事も切り出す。


「それと、両親に会う事なんだけど……」


「あぁ、何?」


廉はビールを飲みながら、あたしの話を黙って聞いていた。