あたしの為……?


「どういう事?」


「だってさ、このままだと澪はずっと家出したままになるだろ?でもそれって、本当は澪が一番傷付いてるハズだし……。廉さんはたぶんそれをわかってて、親に会いたいって言ったんじゃねぇ?」


目から鱗(ウロコ)だった。


廉なら、きっとそれくらいの事は考えている。


あんな言い方をしたのは、あたしに気を遣わせない為だったんだ。


「そっか……」


「おう!だから、ちゃんと廉さんにお礼言っとけよ?」


嵐の言葉に、思わず苦笑してしまう。


「うん…」


それでも、あたしは微笑みながら小さく返事をした。


これじゃあ、どっちが年上なのかわからないな……