「澪の考えてる事なんてお見通し、って事だよ♪」


嵐は笑い続けながら、得意気に言った。


「とにかく、廉が挨拶したいんだって……。あたしは嫌なんだけど……」


「当たり前だろ?」


ため息混じりに告げたあたしに、嵐は諭すような口調で切り出した。


「仮にも自分が結婚する相手の家族なんだから、挨拶くらいするっつーの!」


「そりゃ……。普通ならね……」


あたしだって、それくらいの事はわかっている。


でも、あたしは……


「廉さんはさ、澪の為を思ってやってるんだろ?」


「え……?」


「澪の性格を知ってるから、言い出してくれたんじゃねぇの?」


あたしには、嵐の言葉の意味がわからなかった。