「澪……?」


しばらく黙っていたあたしを心配したのか、嵐は様子を窺うように呼んだ。


「あっ、ごめん……。あのね、嵐にお願いがあるんだけど……」


「うん、何?」


「あたし、結婚するかもしれなくて……」


「結婚っ!?廉さんと!?」


嵐は、スピーカーの音が割れてしまう程の大声を上げた。


「えっ……?う、うん……」


圧倒されてしまったあたしは、返事をするだけで精一杯で…


次に言おうとしていた言葉を、飲み込んでしまった。


だけど…


「あ〜!なるほどっ♪」


嵐はあたしの説明を待たずに一人で納得し、弾んだ声で言った。


「何が……?」


不思議に思いながら尋ねると、嵐は楽しそうに笑い出した。