普通、一人で挨拶なんて行かないよね……


廉の話を聞いて、益々困惑してしまった。


「でも……」


「お前が嫌なら仕方ねぇだろ?俺は、挨拶はちゃんとしたいんだよ!」


頑なに言う廉に、どうすればいいのかわからなかった。


「それともお前は、挨拶も出来ねぇようないい加減な男の方がイイのかよ?」


「そうじゃないよ!」


厳しい口調で言った廉の言葉をすぐに否定すると、彼はフッと笑った。


「だろ?」


廉の表情を見て、どうするべきなのか悟ってしまう。


「わかった……。じゃあ、もうちょっとだけ待ってて……」


「今度は何だよ?」


あたしは小さく深呼吸をした後、ずっと秘密にしていた事を打ち明ける事を決めた。