困惑していると、廉はタバコを灰皿に押し付けて口を開いた。


「お前が親と仲悪いのは、ちゃんと知ってるから」


「だったら、別に挨拶なんてイイじゃない……」


あたしにとっては、今更な事。


出来れば、今はまだ両親とは会いたくない。


「それは無理!」


キッパリと否定した廉を、あたしは戸惑いながら見つめた。


「どうして……?」


「結婚相手の親に、挨拶するのは常識だろ?」


確かに、それはわかるけど…。


「あたしは、親には会いたくないもん……」


「じゃあ、お前はイイよ!俺が一人で行くから……」


「えっ!?」


廉の言葉に驚いたあたしは、目を見開いて声を上げた。