家に帰ると、先に帰っていた廉が玄関まで出て来てくれた。


「おかえり」


「ただいま♪」


廉と笑顔で交わす言葉が、あたしの心を温めてくれる。


「週末、予定とかあるか?」


「別にないけど……。何かあるの?」


廉の言葉に、あたしは小首を傾げながら答えた。


先にリビングに入った彼は、タバコを一口吸ってからゆっくりと煙を吐き出した。


「お前の親に、挨拶したいんだけど……」


「え……?親に……?」


一瞬、ドキッとした。


あたしは高校を卒業して以来、両親とは一度も会っていない。


それどころか、連絡すらしていないのに…。


今更、どんな顔をして会えばイイの……?