「こらっ!!贅沢だぞっ!!」


「それは、わかってるけど……」


それでも、やっぱり心配になってしまう。


廉は普通にしていてもカッコイイけど、レンズを覗き込む瞳は何よりも綺麗だから…。


あの瞳で見つめられたら、きっと誰だって彼を好きになる。


「あたしから見ても、廉さんは澪にゾッコンだよ!」


「そうかもしれないけど……」


不安が消えないあたしは、またため息を漏らしてしまう。


「気にし過ぎだよ!あたし、そろそろ出勤だから……」


綾は苦笑した後、念入りにメイクを始めた。


あたしも、いつもあんな感じだったな……


テーブルの上を片付けながら、懐かしい光景に少しだけ寂しくなってしまった。