家を飛び出した18歳の自分(アタシ)は、この場所に辿り着いた。


昔のままの自分(アタシ)なら、きっと知る事も無く、見る事も無かったこの世界。


辛くて苦しい時、何度も辞めたいと思った。


だけど…


どんなに逃げ出したくなっても逃げ場の無いあたしは、よく陰に隠れて泣いていた。


嫌な事も、いっぱいあった。


悔しい事も、数え切れない程あった。


それでもあたしにとって、ここは幸せを感じさせてくれる優しい場所だった。


ここにはいつも、自分(アタシ)の居場所がある。


そう思うだけで、すごく安心出来た。


キャバ嬢は常に危険と隣り合わせで、時には見下されてしまう大変な仕事。


だけど…


あたしは入店した時から今日まで、ずっと誇りを持ってやって来た。