「お前みたいなタイプがキャバに来る時は、大体が金に困った時くらいなんだよ!」


あたしは黙ったまま、店長の話を聞き続けた。


「だけどな、根性のない奴はよっぽど多額の借金でもない限り、結局はすぐに辞めちまう……」


確かに、今までにも何人もの子達がすぐに辞めていった。


「正直、お前もそっちの部類だと思ってたよ」


「あたしも……?」


「あぁ……。どっちかって言うと、お前は世間知らずっぽいし、根性もないと思ってたからな!」


ハッキリと言った店長は、呆れたように笑った。


「だけど……お前はすごいよ……」


「すごい……?」


あたしが小首を傾げると、店長はタバコの火を消して笑顔を見せた。