お風呂から上がって髪を乾かした後、朝食の支度をした。


今朝ももちろん、廉の好きな和食。


白ご飯、お味噌汁、卵焼き、焼き魚、りんご…。


一通りの準備を済ませてから、アイスティーを飲んだ。


お気に入りのアールグレイの香りが、あたしの気持ちをゆっくりと落ち着かせていってくれる。


ソファーに身を沈めながら、グラスに入った氷を見つめた。


グラスをクルクルと回しながら、氷の音に耳を傾ける。


それは、オルゴールのような優しい音色に似ている気がした。


「澪……」


いつの間にか起きて来た廉が、後ろからあたしを呼んだ。


「おはよう、廉!」


振り返った直後、自然と明るく言った。


「すぐに朝ご飯にするからね♪」


あたしは気まずくならないように笑顔を見せ、キッチンに走った。