「いえ……。あたしの方こそ、すみません……」


悔しい思いを抑えながら謝って、あたしは笑顔を繕ってから再度椅子に座った。


そのお客はつまらない自慢話をひたすらしては、体をベタベタと触って来て…


その行為が段々とエスカレートしていき、とうとうあたしの胸を触った。


「キャッ!!」


「おいおい……。何だよ、これくらいで〜!ケチケチするなよ〜!ほら、早く座れよ!」


驚いたあたしが席を立つと、そのお客は不機嫌そうに眉を寄せた。


「ほらっ!!早くしろっ!!」


だけど…


あたしは中々座る事が出来なくて、不機嫌になったお客を前に躊躇していた。


やだ……


座ったらまた……


でも、どうしたら……


泣きそうになりながら近くにいた店長を見ると、彼はあたしに座るように目と手で合図した。