マンションのエレベーターで、最上階まで上がる。


玄関の前で街を見下ろすと、所々でネオンが光っていた。


廉を起こさないように、玄関の鍵とドアをそっと開けて中に入る。


ふとリビングの方を見ると、少しだけ光が漏れていた。


まだ起きてるのかな……?


弾む胸を落ち着かせ、静かにリビングのドアを開けた。


「おかえり……」


「あっ、ただいま!まだ起きてたの?」


ソファーでタバコを吸っていた廉は、あたしを見ると立ち上がった。


「お前を待ってた」


「どうしたの?何かあった?」


不安になりながら尋ねたあたしの言葉を、廉は低い声で否定した。


「別に……。明日休みだから待ってただけ。それよりさっさと落として来い」


「あっ、うん……」


小さく頷いて、慌ててバスルームに向かった。