「え……?」


あたしの驚きの声と、そして会場の歓声と共に舞台に現れたのは、“澪”だった。


廉の部屋のベッドで、肌をあらわにしながら眠る自分(アタシ)の姿。


それはどこか官能的で、すごく綺麗だった。


胸から太股まではシーツが掛けられているけど、そこに写っているあたしは間違いなく全裸。


嘘っ……!?


だって、廉は人は撮らないって……


あんな写真、いつ撮ったの!?


舞台に立つ廉を見ると、意地悪な笑みを浮かべている。


彼は戸惑うあたしを見ながら、自分の首筋を指先でトントンと叩いた。


首筋……?


写真を見ると、そこに写る自分(アタシ)の首筋には赤い痕がある。


あのキスマーク……


初めて廉に抱かれた時に、付けられた物……?


あの時、廉が『俺も付けといた』って悪戯に笑っていた事を思い出して…


その瞬間、あたしの瞳に涙が溢れた。