「あっ、澪!」


「綾〜……」


あたしは息を切らしながら、先に会場に着いていた綾の元に走った。


「もう〜!遅いよ!」


「ごめっ……!道、間違えちゃって……」


息を整えてゆっくりと顔を上げ、綾に笑みを向けた。


「今日、Shikiも来るんだって。廉がそう言ってた!」


「マジでっ!?もしかしてって思って、写真集持って来たんだっ♪会えたらサイン貰えるかな?」


「さぁ?どうかな?Shikiも授賞者みたいだから、会えるとは思うけどね♪」


珍しく興奮している綾に笑顔で答えながら、笑いが込み上げて来た。


「あっ!今、ミーハーだって思ったなぁ〜!」


わざとムッとしたような顔を見せた彼女が、あたしの脇腹をくすぐって来た。


「違っ……!綾、ギブだって!」


「ユイ……?」


綾とふざけ合っていると、後ろから誰かに呼ばれた。