「もしかしたら、廉の知り合いかもしれないね……」


不意に、あたしの口からそんな言葉が出た。


正直、自分の言葉に驚いてしまった。


だけど…


不自然にならないように、あたしはすぐに笑顔を見せた。


「もしそうだったらさ……廉さんに頼んで、あたしをShikiに会わせてよ!」


綾は眉を寄せて小さく笑いながらも、優しい声で言った。


「うん……。仲直りしたら訊いてみるよ……」


「うん……」


それから、あたし達は何も言わずにただ写真集を見ていた。


時々、綾を見ると目が合って、あたし達はその度にクスクスと笑い合った。


まだ少しだけ不安だけど、帰ったら廉に謝ろう……


不機嫌かもしれないけど、きっと廉だって話せばわかってくれるよね……


これからの事は、二人でゆっくり話し合うんだ……