太一は諦めたようにため息をつくと、ゆっくりと口を開いた。


「廉には、高校の時から付き合ってた彼女がいたんだ……」


彼はそう前置きして、元カノの話を始めた――。


廉には高校三年の時から、付き合っていた彼女がいた。


彼は高校を卒業してから、カメラの勉強をする為に今の事務所に就職した。


そして勉強に明け暮れながら、彼女と仲良くしていた。


元々、いくつかのコンテストで入賞していた廉の才能は、２年も経つとプロとして認められた。


それから瞬く間に有名人になった彼は、あまりの忙しさに彼女とのすれ違いの生活が続いた。


その頃大学生だった彼女は、寂しさを紛らわす為に夜遊びを始めていた。


だけど、廉はそんな事を全く知らなくて…


彼が気付いた時には、彼女は借金を抱えていた。


廉の元カノは、ホストに貢いでいたんだ…。