京も煙草を吸いだした。

「…海って何?」

「人間?」

知ってるよ!!

普通に返ってきた京の返事に突っ込みを入れてしまいそうだった。

「いや…何者?」

私は言い直す。

「…夜の大蛇9代目総長。」

言葉を失った。

同時に、頭の中が整理されていく気がする。

あの時、学ランじゃないと感じた時から気付くべきだったんだ。

学ランなんかではなく、『特攻服』だって事を。

「フリーズしちまったかい?」

フラフラと京は固まる私の前で、手を振る。

でも、京は誰なんだろう?

海を馬鹿に出来るし。

海に向かってコレとか言っちゃうし。

「京は?」

「夜の大蛇9代目総長の右腕。」

サラリと言われ過ぎて、何を言ってるのか理解不能だった。