嵐が知らない女の子と一緒にいる所を目撃した、翌日。


大学に着いてすぐに、校内のカフェに向かった。


一限目が休講だったから、嵐はここにいるハズ。


確信を持っていたあたしは、カフェの入口で中を見渡した。


嵐……


嵐はいつもの席で、携帯を触っていた。


「おはよう……」


少しだけトーンを下げた声で、彼に話し掛けた。


「おう……」


嵐はあたしを見ると、小さく笑って携帯に視線を戻した。


誰とメールしてるの……?


昨日の女の子……?


必死に涙を堪えながら、嵐を見つめる。


「昨日、何してたの……?」


わざとらしい訊き方だったし、彼は勘がいいから、あたしの様子がおかしい事にきっと気付いている。