「樹里……」


嵐に名前を呼ばれて、体がビクリと強張った。


振られるっ……!!


「あたしっ……!入学式の時からずっと、嵐の事が好きだったよ!この気持ちは誰にも負けないっ!!だからっ……!」


言いたい事はいっぱいあるのに、上手く話せない。


「樹里……」


待って……


まだ言わないで……


そんなに切なそうな顔しないでよ……


「あたしの愛情……全部あげるから!あたし……嵐がいないとダメなのっ!!嵐が好き……だよ……」


最後は本当に小さな声で、嵐には聞こえなかったかもしれない。


あたしは零れる涙を拭こうともせず、彼の答えを待った。


例えそれが“NO”だったとしても、嵐の気持ちをちゃんと知りたいと思った。