あたし達は、公園のベンチに並んで座った。


「さっみぃーっ!!お前、寒くないの!?」


「うん……。大丈夫……」


寒さには弱いけど、それ以上に緊張していたから…。


「……で、どうした?」


嵐はあたしの顔を覗き込んで、優しく微笑んだ。


あたしはベンチから立ち上がって、彼の前に立った。


「あのねっ!!」


「うん、どうした?」


あれ……?


何か泣きそう……


いつもの嵐の笑顔が、今日は妙に心に染みる。


切なくて、苦しくて…


あたしが最初に発したのは、たったの一言だった。


「好き……」


その直後、あたしの瞳には涙が溢れて、あっという間に零れ落ちた。


後から後から溢れて来る涙は、あたしの気持ちそのものだったのかもしれない。