大学2年の春。この季節ならではの柔らかな風が中庭を通りぬける。


木の葉の隙間から日が射す、5人のお気に入りの場所。そこでGWに行く旅行の計画をたてていた。



「だから俺はフランスて…」
「亮太、ちょっとは真面目に考えて?」
「あー寝すぎて頭いてー。」
「…もういいわ笑。伊豆箱根あたりが近場でいいと思うんだけど。」
「俺もその方がいいわ。金ねぇし。」
「じゃあその辺で旅館とか探してみよっか♪」



「おはよー」
「わ!びっくりした〜」
やっと登場した、これが大介。

「遅れた罰として大介旅館係ねッ♪」
「はぁー?なんだよそれ。」
「伊豆箱根あたりで旅館探しといて♪」
「あーめんどくせー」
「まかせた♪楽しみー!」


この時はただただ楽しみで仕方なくって。

あんなことになるなんて考えてもなかったから…

でも、考えてみたら確実に影は忍び寄ってきてたんだ。