「今日はあったかいね」


持っていたコートを椅子の背にかけながら、笑って話す本城さん。



今日は、早く来てくれた。


それだけで、嬉しかったり。




この前悲しい顔してたし、泣いた跡もあった。




だけど、今日は表情も明るくてホッと息を吐く。



あったかい。



本城さんの言ったとおり、12月に入って毎日寒さを感じていたけれど、今日は天気が良い。



この部屋にも日が差し込んで室内を温めてくれていた。



「仕事はどう?」


「んー……昨日はねちょっと頑張った、かな」


「……何時まで?」


「4時、位まで、かな」



思い出すように目線を天井へと向けて少し考えた後、そう口にした。



「ムリしてない?」


「あ、大丈夫ですよ。ちゃんとぐっすり寝てから来たから」



俺が心配しているから安心させるようにそんな事を言ってるのかもしれないけど。



顔色は良くない。


本当に寝たかどうかも分かんないし。




「でも、この部屋あったかいから眠たくなっちゃうね」



そう言って、俺の布団へと腕を枕にしてその上に頭を乗せる。



「……あったかいし、柔らかい」

「でしょ。俺毎日良く眠れるもん」