えっ??私声に出しちゃった??
  その時には遅かった。
 みんなから肝井と呼ばれている
  自称永遠の20代浅井真紀(あさいまき)
 と目が合ってしまった・・・。

「愛野- !!!誰も鯉をかけなど
    言ってないぞ!!」

  あっそっちの鯉と間違えてくれたんだ。
 
「よかったあ」
「ちっとも良くないぞ!!
寝ぼけてたのか?」

 また声に出してしまう私は
馬鹿なのだろうか。

 「すいません」

そう素直に言って前を向くと
 夕菜が爆笑しながら

 < ず ぼ し だ ね >

  えっ??

 < 図星だね >

  えええっ??
 これが・・・恋?
 こっちの鯉じゃなくて??
  あの男の子に??
  まだ喋った事ないのに??
  ただ見とれてただけなのに??
  でもちょっとかっこいいなって思っただけで??
  そんなつもりじゃないのに??

 「嘘だぁ- !!!!!」
 「こらぁ!!!愛野ぉ!!!」
 「すいません!!!!」