私は思う。藤林杏香がこのまま演劇部を操っていいのかと。否、私は彼女の支配からこの部と学校を救うんだ。そう、別の、真の目的はあるが建前だけでもそうしなければ。
ふふ、しかし藤林杏香を打倒すると言えば他の連中の士気も上がるだろう。
『演劇部の諸君!もはや忍従の時は去った!
諸悪の根源は、欺瞞溢れる演劇部を作らんとした、藤林杏香にある!真なる演劇部をその手に握るのは、藤林杏香の首を我が面前に捧げる諸君らである!さすればこの大学の英雄として、末代まで称えられよう!!』
おぉ!と勇む反藤林の面々、エンドラの半数、反藤林派の他派閥、演劇部以外での反藤林の連中が一丸となればいかに藤林杏香とて敵うまい。そうだ、この抗争は勝てる!
「時に楯岡副部長と織田信市氏に豊臣市、私が貴殿らを幕僚に任命したかわかるか?私は藤林杏香を打倒する。そのためにヤツと戦った経験がある貴殿らに協力を仰ぐためだ。」
「幕僚つっても立場は対等なハズだズラ。偉そうな態度はやめてほしいズラ。」
と、そうだったな。今はそうしておかねば後から面倒だな。さぁ、そろそろ始めるか。
「待てよ。俺を知ってんだろ?演劇部3年の徳川だ。お前さん藤林の派閥にかつて自分がいた派閥を潰すらしいな。俺も奴さんにゃあ借りがあるんだ。つー訳でよ、お前さんがやろうってしてる抗争につき合わせてもらうぜ。」
そういうことなら彼も必要か。それに徳川先輩といえばこういう時には頼りになるらしいしな。
「わかりました。あなたには高級幕僚の地位を与えましょう。」
ンフフフフ・・・カードはそろったか。さあ、始めようか。抗争を。



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