「失礼。ここに藤林杏香はいるか。」
げっこの声は・・・。
がらりった
「やはりここだったか杏香。」
(スッゴク美形じゃん)あ、今智風の心の声聞こえた気がする。
やっぱり来たよ真田信幸!!!あぁ、何でバレたんだろね。私誰にも言ってないし。今日はセロんちにいるって。セロも言ってなかったっぽいし。
「残念だったな杏香。藤林家にいないとなると考えられるのはここだけだったのさ。」
う~っやっぱりコイツ嫌いだ。
「連れ戻しに来たんだろうけど私アンタがウチに居座るならアンタが帰るまでここ動かないから。」
「そりゃ困る。てゆーかそんなに嫌いか?この私が。」
「嫌いに決まってるっしょ!?だってホラ、アンタの考え読めないし自意識過剰だし私を小バカにする態度ばっかだし。それに、私が世話焼かないと何にもできないし。(小声)」
「そうなんだ、杏香は私の悪いとこもちゃんと見てくれてるんだね。私は好きだよ。杏香の気の強いとことかお節介なとことか。」
だめだ・・・。話が平行線なんだけど・・・(泣)ってか嫌いってのはウソ。誰にも言ってないんだけど初恋の相手がこのバカなんだよね。帰れなかったのもこのバカと顔合わすのが変に照れくさいからだし。うん。もー少し素直になりたいもんだ。清士郎ほど素直に告白はゴメンだけど。
「杏香。だったらもう帰るが親父殿も心配しておいでだろうからな。早く帰ってやれよな。」
あ、もうそーゆー時間か。
「信幸!!」
ん?と振り返る信幸
「私んとこ遊び来たかったら・・・いつでも来ていいから。ついでになんかあったら世話も、焼いたげるから。だから、いつでも遊びに来なさいよね。」
ハハ、わかったよとあのバカは笑いながら去っていく。
うん。私もそろそろ帰ろうかな。
「そーいやさっきの杏香の顔って恋する乙女だったよね~♪」
智風っ!うっさい!!!