「ヒック…ゆう…ヒック」

誰かの鳴き声がした

寝ぼけた目で声の方向を見ると奏が俺の腹に顔をうずめて泣いていた

そこで一気に目が覚めた

「奏!どうしたんだよ!?」

「ゆう…ごめん…ごめん」

謝ってばかりで話を聞いてくれない

俺は奏の手を持って立ち上がらせた

「ここじゃなんだから部屋に行こう」

「…うん」

時計を見ると三時を指していた

「何時から居たんだ?」

「祐が寝た後から」

ってことは二時間近くあのままだったのかよ
一体どうしたんだよ

俺達は部屋に入り奏をベッドに座らせ落ち着かせてから話し始めた


「何でそんなに俺に謝ってるんだ?別に何もしてないだろ?」

「だって、私が意地張ったせいで祐に気を使わせて。
自分の部屋まで私にくれようとしてリビングで寝て…
ほん…と…に…ごめ…ん」

「泣かないでくれよ
元はといえば寝ぼけていたとは言え俺が抱き付いてたのが悪いんだからさ
俺は大丈夫だからさ、心配すんな」

笑って見せてやった

だが奏はまだ泣き続けている