椅子から立ち上がって壁を殴っていた

「あり…がとね…私の…ために…怒ってくれて」

彼女は泣いていた
話すのも相当辛かったよな

どうにかしてあげたい
助け出してあげたい


でも俺にはどうすることもできないのか

いや、気は乗らないが方法が1つだけある

ウチの親父に頼むんだ


親父は普通のサラリーマンのくせに弁護士やら警察やらを連れてきて酒盛りしてるんだよな

この前は明らかにヤクザっぽい人連れてきてたよな…

あんだけ人脈が広い人なんだから何とか出来るはずだ

「あのさ天見さん。
何とか出来るかもしれない。
まぁ、あんま期待せずに待っててくれ」

彼女の涙はすでに止まっていた

「うん。そうするよ」

「夜になったら話し合ってみる。それまでは遊ばないか?」

「うん!」

彼女は笑顔で言ってくれた