私と貴大君は話をしているうちにだんだんとツボが合うことがわかり、私はこの人は仲良く出来そうな人やと思い始めていた。

そんなとき、駅に着いた。

「あのさ〜…」
「あんな…」

二人の声が重なる。

「えっ?何?」
「いや、俺より優奈ちゃんが先に言うてや。」
「えっ、ええよ。貴大君から先に言うて!!」

貴大君は何かを決断したかのような真剣な顔になって私を見て照れながら言った。


「あんな、もしよかったら俺にメルアド教えてほしいねん!!……ええかな?」

「えっ、…あっ、も、もちろんええよ。じゃあ赤外線で…」


私たちはこうしてメル友になった。


「ありがとう。じゃあまたメールするわ!気をつけて帰りや。」
「うん。ありがとう。じゃあ、バイバイ。」




私にはこのとき新しい風が心に吹いている気がした。


でもそれは、そのときだけの思い込みだったんだ…